以前から気になっていた映画『ホテル・ルワンダ』を見ました。 1994年にフツ族とツチ族の対立から、100日で100万人が虐殺されたとも言われるルワンダ紛争。そんな中にあり1200人以上の人間を自分の働くホテルにかくまい、そして難民キャンプへと逃れることが出来たという実話を基にした映画です。フツ族の主人公ポール・ルセサバギナは最初からこれほど多くの人を助けようとしていたのではなく、ただツチ族の妻や子供たちを守ろうとした流れの中で、もう後戻りをすることは出来なくなり、そしてまたポール自身もそれを望んではいなかったのかもしれません。ホテルの外では多くの人が殺害され、絶望的な状況の中にありながら、大勢の彼らと自分を同一視していたからこそ湧き上がってきた行動なのではないかと思います。 映画の中で現地取材に来ていたジャーナリスト、カメラマンたちは虐殺のスクープ映像を世界へ流しますが、「ただ可哀想と思うだけで、何も変わらないかもしれない」という言葉通りに世界の反応は冷たく感じ、またホテルを警護している国連軍も含めて、当時のルワンダという国に対する世界の国々の思惑をひしひしと感じました。 ポール一家は難民キャンプへ逃れることが出来ますが、そこにはポール達と同様に逃れてきた大勢の人達がいて、孤児となった子供達がいて、紛争と同時に、また新たな問題が生じていました。 この映画は日本での公開予定はなかったそうですが、地道な署名活動により上映されることになったそうです。