セツブンソウの群落
秩父から見た武甲山や遠くに見えた両神山は雪で白くなっていた。
そこから秩父鉄道の線路に沿うように車を走らせ、途中から北上へと進路を変え、秩父盆地の西側に当たる小鹿野町へ向かう。
ギザギザといくつもの峰が連なる両神山の登山口のひとつ、そこへ向かう途中に節分草が群生して咲く一角がある。
晴れてはいるが車を降りると風が強く、そして冷たい。
道路を隔てた林の斜面が保護地区になっていた。
節分草園 |
受付で入園料(整備協力金)を支払い足を踏み入れると、茶色く乾いた落ち葉が舞う、岩混じりの斜面に、セツブンソウが咲いていた。
草丈は短く、親指と人差指でその長さを測れるほど。
地面から茶色い茎が一本、すーっと伸びた先に切れ込みばかりの深い緑色の葉が付き、ぱっと開いた5枚の白い花弁の中で、青い花芯を黄色い小さな星がまあるく取り囲んでいる。
セツブンソウ |
青い花芯が大きいもの、白い花弁の多いもの、淡い桃色の花弁のもの、葉の色や形が違うものなど、いろいろと変わったものもあるようだった。
花芯が赤紫になった花を近くで見ていると、子供の頃に食べたような、砂糖をまぶしたゼリーのお菓子を思い出した。
足元で可憐に咲き、間違えると踏んでしまいそうな花だが、目が慣れてくると、早春の日の光に照らされて、白く群生しているのが見えてきた。
冷たい強い風に吹かれ、そのたびに花も揺れている。
数日前には雪も積もったそうで、この長い茎は、雪を割って地上へ出てくるためのものなのかと思ったりもした。
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