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ITパスポート試験受験記

ITパスポート試験受験のこと

IT(Information Technology:情報技術)の世の中へ

 無線従事者免許に続いて国家試験の話です。
 ITパスポートとは、これからの世の中ではいろいろな場面でITを活用していきましょうということで、国が推奨している国家試験で、対象はこの国のすべての学生や社会人だそうです。
 国家試験とはいっても、この試験に通ったからといって機械の操作ができるとか何か特別なことができるようになるわけではなく、ITに関する勉強をしてそれなりの知識を得ました、という証明になる性格のものだと思います。ただ、IT分野の変化は早いので、それに伴って出題範囲はよく変わっているようです。ひとつ例を挙げると、AI(人工知能)に関する問題は最近になって追加されているようです。
 ITパスポート試験は(独)情報処理推進機構(IPA)が実施しています。試験は、ストラテジ(経営戦略)、マネジメント、テクノロジ系の3分野から出題され、経営の視点の問題も多く出されるので、国としては、この資格試験を通してすべての企業の経営にITを活用してもらいたいというような意向があるのかと思ったりします。ただ単にwordやexcelが使えるというだけではなく、そこから一歩先へ進みましょうというものだと思います。
 試験の方法は、全国の試験会場に置かれたパソコンで行うCBT方式です。早々に席が埋まっている場合があるので、受験を希望する日時や場所が決まっている場合は早めに申し込んだ方がよいかもしれません。

勉強方法

 参考書と過去問題で勉強しました。
 参考書は『いちばんやさしい ITパスポート 絶対合格の教科書+出る順問題集』の令和5年度版でした(令和6年版はまだ出ていませんでした)。
 ITパスポート試験を受けようと思った時には具体的な試験内容などを知らず、どんな参考書を買っていいのか分からず、本屋でいくつか見比べましたが、一番分かりやすそうなものをとこの本を選びました。
 とりあえず全体を通して読んでみて、章末の問題をやりながら何度か読み返しました。本には普段耳にするような用語がある一方で、知らないものもたくさんありましたが、イラストが多くあるので頭に入りやすく、PPM分析などは絵がすぐに思い浮かびます。
 過去問題は、参考書付録のPDFと、IPAが公表している実際の過去問題(CBT試験疑似体験ソフトウェア)をやりました。
 参考書を一通り読み終えて5~6年分の過去問題をやっていましたが、参考書には載っていないような言葉なども出てきて戸惑うこともありました。ITパスポートの試験は、過去問題をやって憶えれば同じものが出てくるというものではなく、用語の基本のところを押さえておかないといけないものだと感じています。
 IPAのウェブサイトではPDF形式の過去問題とは別に、CBT試験を疑似体験できるソフトウェを公開しています。実際の試験と同じ形式で体験することができ、残り時間も表示され時間配分を考えるのにも参考になります。試験問題は100問あるのですが、思ったより時間がかかりました。

試験に臨んで

 試験会場によってまちまちだと思いますが、指定された時間に集まり、パソコンの置いてある部屋へ案内されました。パソコンの画面は疑似体験したソフトウェアと同じものなので、一度は体験しておくとよいと思います。
 試験内容はやはり過去問題がそのまま出るというものではなく、見たことのない言葉が出てきたり、問題を読み込むのにも時間がかかってしまいました。時間がかかりそうな問題は後回しにするためチェックを入れて次へ次へと進みますが、結果的にどの過去問題を解いた時よりも時間が足りませんでした。画面の左上に残り時間が表示されるのですが、これが視界に入りけっこう焦ります。
 それでも何とか後回しにしていた問題を解いて、他のものも見直しているうちに時間切れ。無情にもその場で採点が始まります。合格の基準はクリアしているので大丈夫だとは思いますが、正式な合格発表は後日になります。合格率はだいたい50%前後だそうです。

試験が終わっても

 IT分野は常に進歩しているので、ITパスポート試験に合格したからといっても、これからも情報をアップデートしていかなければならないと思いますが、その意味ではIT分野に関する幅広い基本的な知識を得られるこの試験は有意義なものではないかと思います。IT分野に対するイメージのハードルが一段下がったような気がして、いい勉強にもなりました。
 ところで、ネパールのエベレスト街道を歩いた時に、電気もろくにきていないようなあの山道で、現地ガイドの若者がスマートフォンで談笑しながら歩いているのを見て、ひょっとして日本はかなり遅れているのではないかと思ったりして、ガラパゴスでやっていければいいのかもしれませんが、おそらく今の時代はそんなことはなさそうで、これから世界から取り残されることがなければいいなと思います。

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