秋の権現岳へ
八ヶ岳の硫黄岳に行ってから3週間。山は秋が深まってきましたが、今度は八ヶ岳の南にある権現岳を天女山から目指します。日帰りをするにはコースタイムが少し長いので、いくつかポイントを決めて、時間と体力をみながら途中で引き返すことも想定しての山行です。
夜中に天女山の駐車場へ来ましたが、途中の道は霧に覆わて視界が悪く、しかもさすがにもう寒いです。明日の天気は悪くない予報だけれど、本当に晴れるのだろうかと、少し不安になりながら仮眠をとります。
前三ツ頭へ
朝起きると空はすっきり晴れていました。朝食を食べ、6時過ぎに出発。空は朝焼けになっていて、ちょっと出遅れた感じが…。
天ノ河原あたりからは朝焼けと富士山が見えて、もうこれだけで満足してしまいそうです。またとない絶好の登山日和、山頂を目指して進んでいきます。
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朝焼けと富士山 |
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絶好の登山日和。遠くに見える山を目指して進んでいきます |
しばらくずっと森の中や笹に覆われた山を登っていきます。急な道も多く、またとても暑く、途中で何度も休みながら登っていきます。
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前三ツ頭への登山道 |
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前三ツ頭への登山道 |
登山道を登りきると、突然目の前がひらけ、この上ない開放感。真っ青な青空、真正面には南アルプス、左を見ると富士山の絶景が広がっていました。このあたりが前三ツ頭(2,346m)で、左側には岩がごろごろとあり、そこで山々を見ながら休憩します。
天気はいいものの、さすがに空気は冷たく、影になっているところには霜柱が溶けずに残っていました。
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前三ツ頭まで登りきるといっきに視界がひらけます |
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正面には富士山や南アルプスの山々 |
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三ツ頭へ続く道 |
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前三ツ頭から少し昇って振り返ると…(左奥から登ってきました) |
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富士山から南アルプス、中央アルプス、そして御嶽山のパノラマ |
三ツ頭へ
前三ツ頭から少し登るとまた木々の間を歩くようになります。そして観音平からの道とあわせ、木々が低くなってきたかと思うと、目の前に現れたのは異様な形の山。何だこれと思わず声が出てしまいました。これが権現岳です。
この三ツ頭の岩場で少し休憩し、まだ時間も体力も問題ないので、次は権現岳の山頂を目指します。
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三ツ頭への道 |
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三ツ頭から見た権現岳 |
権現岳山頂へ
三ツ頭から先へはいちど下っていきますが、権現岳の右には阿弥陀岳(2,805m)や赤岳(2,899m)の南八ヶ岳核心部の山々が聳え立ち、この絶景を見ながら歩いていきます。
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目指す権現岳(左)と阿弥陀岳や赤岳の絶景 |
登り始めてしばらくすると、木々は低くなり、道はどんどん急になり、そのうち岩場が現れ、いくつかの鎖場が出てきました。登山道は脆いところもありますが、気を付けて登れば問題ありません。
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山頂への道 |
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山頂へ向かう途中の岩場 |
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岩場のロープ |
権現岳山頂
そのうちに権現岳の山頂(2,715m)である岩が見えてきました。山頂にこんなウサギの耳のような岩があり、とても不思議な光景です。岩に近づくと右側ははるか下まで崖となっています。山頂はこの岩の上、左から回り込んで登ると碑が建っています。
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権現岳山頂の岩 |
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権現岳山頂の岩。左からアクセスします。右側は崖です。 |
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岩場の上に建てられた山頂の碑 |
山頂やその付近からは北側にすぐ近くの阿弥陀岳と赤岳が、南側には南アルプスの山々と手前の編笠山と青年小屋、東の方には遠く北アルプスの山々が見えます。願ってもない秋晴れの登山日和です。
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南アルプスの山々を背景に、右の編笠山と右下の青年小屋 |
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北アルプスの山々。左から穂高連峰の山々と大きく窪んだ大キレット、そして中央右寄りに少し尖った槍ヶ岳 |
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左の岩が権現岳の山頂で、右側は崖です。中央奥には阿弥陀岳、右は赤岳。 |
下山
山頂の風景を堪能し、天気が少し悪くなりそうだったので、そろそろ下山に入ります。帰りは来た道をそのまま戻ります。そして山頂はこれだけ天気が良かったにもかかわらず、三ツ頭まで戻ってきたときにはやはりガスに覆われ、権現岳の山頂は白くかき消されてしまいました。じっとしていると肌寒いです。
さらに下って、前三ツ頭の上の方に戻ってくると穏やかな天候になったので、正面に富士山を眺めながらお湯を沸かし、昼食用に持ってきていたラーメンを食べます。山で食べるラーメンはやっぱり美味しいです。
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前三ツ頭の上で富士山を眺めながらのラーメン |
清里へ
登りも長い行程だったので、下りもやはり長めの行程です。下りは足に負担がかかるので、意識的にこまめに短い休憩を入れ、そしてしばらく歩いてだんだんと嫌になってきたころやっと駐車場へ着きました。
まだ時間もそれほど遅くなかったので清里へ寄って帰ります。東沢大橋は紅葉はまだでしたが、さっき登ってきた権現岳がよく見えました。
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東沢大橋からの権現岳(中央左寄り) |
秋の八ヶ岳
3週間前に行った硫黄岳に比べ、この権現岳は南八ヶ岳核心部の山々を挟んでより南側にあるためか、またはたんに天候によるものか、まだいくらか花も咲いていて、秋もそれほど深まっていない穏やかな山行が楽しめました。前三ツ頭までは長い登り(帰りは下り)がずっと続くので、ちょっとたいへんですが、人も少なく静かな山歩きが楽しめ、前三ツ頭の開放感と三ツ頭からの山々の姿はとても印象的です。天女山からの権現岳は、歩きごたえと達成感と満足感のある山行でした。
2016年10月中旬 権現岳(八ヶ岳)
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