はじめてのテント泊、そして、はじめての北アルプス!
家で何度かテントを張る練習をして、準備万端整え、はじめてのテント泊で向かったのは、これもまたはじめての北アルプス(後立山)の唐松岳です。これまでの人生で、“北アルプス”は自分とは関係ないものだと思っていましたが、そこまで頑張らなくても行けるのだということを知り、Aさんの提案で唐松岳に行くことに決めました。ちょうどお盆休み真っ最中。登る前日の夜に家を出て、高速道路のS.A.で車泊。朝早く出発したはずなのですが、高速道路を下りて寄ろうと思っていたガソリンスタンドが、ことごとく開いてない…。一番早く開きそうなガソリンスタンドの前で待っていると、開店時間より前に対応してくれて、感謝です。
黒菱から八方池山荘へ
ガソリンの心配もなくなったので、気を取り直して、黒菱の駐車場へ向かいます。駐車場はまだ空いていましたが、けっこうな数の車があります。靴を履き、重いパックを背負い、ひとつめのリフトへ。パックはお腹に抱え、ゆっさゆっさと一人乗りのリフトに揺られながら高度を稼いでいきます。続いて少し大きめのリフト(グラートクワッド)へ。ほとんど歩かずに、1,830mの八方池山荘に着きました。今日はあまり天気がよくない予報でしたが、あたりにはガスが漂っています。まさかここまでとは…。靴紐を締め直し、まずは八方池を目指します。池までは、登山ではなく観光でも行ける道で、途中には木道もあり歩きやすいです。登る人、下ってくる人もけっこう多いです。
リフトの駅(右)と八方池山荘 |
大きなケルン |
一瞬山が見える! |
八方池
晴れていれば対岸にある白馬の方の山々が見えるはずですが、ガスが多く、青空が見える時間は長く続かず、すぐガスにかき消されてしまいます。一瞬見える山々はとても険しそうで、さすが北アルプス、スケールの大きな山に来たなという感じがします。一般の観光ではこの八方池までの道を往復するそうで、晴れていれば池に山並みが映ってとても綺麗だそうです。この日はこのあとガスはとれたのでしょうか。
ガスが薄くなってもこれ以上山は見えず |
スケールの大きな山に来た感じがします |
晴れると池に山が映るそうですが… |
雪渓へ
八方池から登山道に入り、次に扇雪渓を目指します。背中の荷物の重さを感じながら一歩一歩と歩いていきます。まわりは相変わらずガスが多く、写真を撮ることもなく、右足、左足、と歩いてきます。しばらく歩いてくと、登山道から少しだけ逸れた横道があり、山の斜面にある扇雪渓が見える広場に着きました。ここで大休憩です。
登山道の花々 |
扇雪渓 |
丸山へ
雪渓の右側の登山道を登り、丸山ケルンを目指します。足元を見ながらじわじわと登ります。道はとても歩きやすいです。そして着いた丸山ケルンは、向こう側に雲がもくもくと湧き、雲の中にいるようです。花の終わったチングルマ |
丸山ケルンにて |
唐松岳頂上山荘(テント場)へ向けて
丸山ケルンからはそれほどアップダウンはありませんが、荷物の重さを肩で感じるようになりながら、また一歩ずつ歩いていきます。白馬方面の山々と雪渓の見えるポイントで休憩をしながら、また滑って落ちたらそのまま上がって来られなそうな細い道を歩いていくと、ようやく山荘の建物が見えてきました。
歩きやすい道 |
山が見えたり隠れたり |
ガスと青空 |
雪渓が見える |
ギザギザの山。あそこを登る人はいるのだろうか。 |
少しザレた登山道。ここを過ぎるともう少し。 |
歩いてきた道を振り返る |
はじめてのテント泊
唐松岳頂上山荘(2,620m)に着き、テント泊の手続きをします。さて、どこに張ろうかと山荘の下側(西の斜面)を見やると、すでにテントはいっぱい。警察の方?がいろいろとアドバイスをされていて、山荘から少し下ったところに私たちがテントを張る場所を空けて作ってくれたのですが、幅がちょっと狭くて、テントを置くと下が浮いてませんか…。仕方ないので近くにある石を持ってきて、空いている空間に詰めてみましたが、テント全体が斜めになっていて、しかも中に敷く銀マットは滑りやすく、座っているとずりずりと滑り落ちそうになります。パックを斜面側に置いて、何とか平らにしましたが、家で練習していたのとぜんぜん違う…。斜面上側に挿したペグだけが頼りです。最初のテント泊にしてはなかなか厳しいです。お昼をとうに過ぎているので、お湯を作って昼食です。Aさんは疲れて寝てしまったので、地図を見たり外を眺めたりして過ごしていました。
唐松岳頂上山荘 |
はじめてのテント場。張り綱が意味をなしていない…。 |
唐松岳の山頂を見上げて |
ガスの多い一日
テント場のある西側もガスが多く、唐松岳の山頂が見えるくらいで、時にはガスであたり一面真っ白になります。だんだんと天気はよくなっているような、いないような…。雲の中の太陽 |
星空
暗くなる前に夕飯です。お湯を沸かして入れるだけの乾燥レトルト食品ですが、十分おいしくてお腹いっぱいです。トイレは山荘にしかないのでヘッドライトを持って数分歩いて登ります。山荘は多くの人たちで賑わっていました。あたりはすっかり暗くなり、ヘッドライトの明かりが頼りですが、ガスが濃いと道がわかりにくいです。
これだけガスが出ていたら星空は無理だろうなと早々に寝袋に入ります。銀マットの上をずり落ちながら、ずいぶん寝たと思って目を覚ましても、まだ21時だったり22時だったりしますが、空を見てみるとなんと星空が見えました。しばし星を見ながら、あらためて寝袋へ入りました。
絶景のパノラマ
テントは斜面を滑り落ちることなく、朝早い時間に起きて外を見ると、ガスはなくなり、左手前に五竜岳(?)、遠方に立山連峰の立山と剣岳が綺麗に見えています。何とも言えない素晴らしい景色です。太陽が昇ると山に光が入り、また違った光景を見せてくれます。今回は唐松岳へは登りませんでしたが、山荘の近くからでも東側の白馬方面が綺麗に見え、この絶景を堪能していました。
テント場、手前の五竜岳(?)と遠方の立山・剣岳などの立山連峰 |
太陽が昇ってきた |
山荘の横から唐松岳を望む |
山の東側、白馬方面 |
乾いた斜面にはコマクサが咲いています |
下山
今日は下るだけなのでゆっくりめのスタートです。下っていく先は雲が多く、雲海のようになっています。途中まではガスもなく、白馬方面や五竜方面も見えました。また、登山道にはいろいろな花が咲き、下りではそれらを見る余裕もありました。
下るにつれてガスが多くなり、八方池はまたガスの中でした。ここはガスが多い場所なのでしょうか。
そして木道を歩き、ゴンドラを乗り継いで黒菱の駐車場へと無事戻りました。
これから下る先は雲海のようになっています |
登りでは見えなかった五竜岳方面 |
登山道 |
白馬方面が綺麗に見えます |
登山道の花々 |
登山道の花々 |
登山道の花々 |
登山道の花々 |
登山道の花々 |
登山道の花々 |
とても穏やかな風景 |
下に降りてくるとガスが出てきた |
ガスが多くなってきた |
登山道の花々 |
八方池はまたガスの中 |
ひとつ目のリフト(グラートクワッド) |
黒菱の駐車場へ |
はじめてのテント泊とはじめての北アルプス
今回はテントを張る場所が狭く、快適とはいきませんでしたが、チャックを閉めてしまえば個人のスペースとなり、まわりに気兼ねをしなくていいのがとても楽しいです。風の音や夜の静けさも感じられます。近くの人達との会話も楽しく、またいろいろと参考にもなります。そして、はじめての北アルプスは雄大で、絶景のパノラマを堪能し、とても充実した山行となりました。さて、次はテントを担いでどこへ行こう。
2016年8月 唐松岳
同行者:Aさん
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