尾瀬ヶ原湿原
雨の朝
翌朝目が覚め、朝食をとり、出掛ける準備をしていてもまだ雨が降っていて、しばらく待っていましたが、いつまで待っても仕方ないとレインコートを着て歩き始めます。夜中に比べてだいぶ小雨にはなりました。小屋の前からすぐに尾瀬ヶ原湿原の入口になっていて、ここから湿原の中心へと、ずっと平らな木道を歩いていきます。
湿原と木道
山に囲まれた広い湿原の中に作られた道。東へ向かって燧ヶ岳へと伸びる道。今日も霧に包まれ、ときおり強い風に吹かれながら歩いていくと、湿原の中にできた水たまりのような池(池塘)の水面は、風が吹くたびに波立てられ、浮島が揺れています。あたりにはまだ人も少なく、レインコートに吹き付ける風と雨粒の音以外にはなにも聞こえない、静寂な空気に包まれています。池塘と浮島
湿原のなかに点在する池にはヒツジグサの葉が浮かび、足元の池を覗き込むと、底の浅い水の中ではアカハライモリが尾を揺らし、モウセンゴケの花も見られます。池のひとつには小さな花々で飾られた浮島が浮かんでいるものもあり、絵のような風景だと、いつまでも飽きず眺めていました。いつの間にか雨もほとんどやみ、薄明かりが差すようになってきました。湿原の一部分が太陽の光に照らされ、緑が輝いているようで、何とも言えない光景です。そして虹も架かっていました。
鳩待峠へ
木道をひたすら歩き湿原の入口の山ノ鼻へと戻り、そこから鳩待峠へ向かい昨日歩いた山道の木道を登っていきます。鳩待峠へはずっと登りで、早く行こうと思ってもそれはなかなか無理がありますが、ただ登山でよくあるように下りで膝が痛くなってしまうということはなさそうなので、その点はいいかもしれません。鳩待峠で
はるかな尾瀬
はじめての尾瀬はずっと霧に包まれていたものの、清々しい雰囲気に包まれた場所でした。遠いものだと思っていた尾瀬は、行ってみると想像よりも近く、ミズバショウの春、ニッコウキスゲの夏、草紅葉の秋、雪化粧の冬、シーズンを通して訪れてみたい場所です。
2015年6月下旬 尾瀬
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