スキップしてメイン コンテンツに移動

雨の観桜

 今年も秩父へ桜を見に訪れた。秩父へは夜祭や札所巡礼やただの観光などでもう何度も行っているが、桜を見に訪れたのは二〇一一年の震災の年が初めてで、今回が三度目だ。

 今日は朝からしとしとと雨が降り、花冷えの花見なった。花見というより、桜そのものを愛でたいので、「観桜」という言葉を使いたい。

 訪れたのは昨年、一昨年と同様、札所二十九番の長泉院と清雲寺だ。清雲寺の境内には種類の違う樹も何本もあるが、一番古いものは樹齢六百年余り。六百年前といえば室町時代。室町時代から今日まで樹勢を良好に保たせるだけであっても大変なことだろうと思うが、その樹が毎年花を咲かせているのだから、その生命力の力強さ尊さには畏敬の念を抱かざるをえない。

 雨が降るのを“あいにくの天気”だとよく言うが、雨でしっとりと濡れた桜の花びらは喩えようもなく美しく、むしろこの雨の日の巡り合わせを幸せと思いたい、そんなことを感じた秩父の桜であった。

コメント

このブログの人気の投稿

飯盛山のニッコウキスゲ

飯盛山のニッコウキスゲ 想い出のニッコウキスゲは  自分の中の想い出のニッコウキスゲといえば、ビーナスライン、車山高原のニッコウキスゲだったのですが、シカに花芽を食べられてしまうようになってからは、ずいぶんと数が減ってしまいました。  その後あちらこちらでニッコウキスゲやアヤメがシカに食べられて、群落が見られなくなったという話をよく聞くようになり、柵を設けて植生を保護しているところも多いようです。尾瀬のニッコウキスゲもシカに食べられていると聞いていましたが、今はどうなのでしょうか。 大盛山のニッコウキスゲ  ここ、清里や野辺山の近く、八ヶ岳の東側にある飯盛山 (めしもりやま) は冬山も含めて何度か登っていますが、ニッコウキスゲが咲くのは初めて知りました。正確には飯盛山の隣の大盛山の斜面に咲くそうです。  梅雨の合間で、しかも標高が低くとても蒸し暑いのですが、1時間ほどかけて登り、鹿よけの柵の扉を開けると、ニッコウキスゲが山頂付近の斜面を埋めるように咲いていました。  登りの途中ですれ違った人から、黄色い絨毯になっているよと教えてもらっていたのですが、これほどの群落を見たのは初めてかもしれません。 ニッコウキスゲの丘 ニッコウキスゲ ニッコウキスゲ  このままずっと保護していけば、斜面の下の方まで黄色で埋め尽くされるのかと、そんなことを想像してみました。

魚料理ほか

魚料理ほか ごまさばの生姜焼き  干物はよく食べたりしていますが、生の魚を調理するのはなんだか久しぶりです。  ごまさばが安かったので買ってきました。単純に塩焼きでもよかったのですが、ちょっと変わったものがないかとネットを探していたら、生姜焼きというのがあったので作ってみることにしました。  塩をふって、小麦粉をまぶして焼き、生姜、酒、みりん、醤油をかけながら焼けば出来上がり。魚は意外とあぶらが乗っていたのですが、さっぱりとしておいしかったです。 ごまさばの生姜焼き 冷凍バナナ  冷凍バナナは子供の頃に食べた懐かしい記憶がありますが、最近はアイスを買うのをやめ、冷凍バナナにしています。  ゼリーなどを作るときに、砂糖の量にびっくりしてしまい、きっとアイスにもかなりの量の砂糖やいろんなものが入っているんだろうなと思いつつ、好きで食べていたのですが、暑くなってきてバナナの熟し方が激しくなってきたので、久しぶりに冷凍バナナを作ってみました。すると、とても甘くておいしかったので、いっそのことアイスをやめてバナナに置き換えてみました。子供の頃と比べて最近のバナナは全体的に甘い気がするので、それで冷凍しても甘くておいしいのかもしれません。  バナナは適当な大きさに切って冷凍しておき、そのままで食べたりもしますが、よくヨーグルトとハチミツをかけて食べています。冷たいバナナが食べているうちにやわらかく溶けてきて、とてもおいしいです。 猛暑  連日の猛暑で、気温に対する感覚がおかしくなっている気がします。夜になっても30℃あるのは普通だし、日中も35℃ないとそんなに暑くないのではないかという気になってしまいます。クーラーをつけていないともうやっていられないのですが、それで風に当たりすぎてしまったせいか、体調不良になってしまいました。  そういえば最近は聞かなくなりましたが、電力の逼迫状況などはどうなのでしょう…。 スズメバチ  去年、玄関脇にアシナガバチが巣を作って駆除してもらったのですが、今年はキイロスズメバチっぽいものがうろうろしていました。単独行動っぽいのですが何度も刺されるわけにはいかないので、去年買っておいた蜂用の殺虫剤を使いました。さすが蜂用だけあって強力で、飛んでいたのが地面に落ちましたが、それでもまだ動いている生命力の強さ。

星のカケラ

星のカケラ 小惑星  先日、日本の小惑星探査機が小惑星から持ち帰った星のカケラを見てきました。  探査機はやぶさが小惑星イトカワから、探査機はやぶさ2が小惑星リュウグウから持ち帰ってきたものです。  どちらも顕微鏡サイズの粒子ひと粒で、モニターに映し出されたものを見学していましたが、火星のあたりの軌道を公転している小惑星から持ち帰ってきたものだと思うと、ごく微細なものながら、そこにはロマンが、そして学術的に貴重な情報がいくらでも詰まっているように感じます。  はやぶさ2は、サンプルを地球に落としたあと、そのまま次の小惑星に向かっているそうです。 技術の進歩、シンギュラリティ  人が実際に火星に降り立つ未来が見えつつある現在に自分がいることを考え併せると、将来から見たら宇宙開発のごくごく黎明期なのかもしれませんが(逆に宇宙開発がとどまることのないようにそうであってほしいと思います)、この時代にいて技術の指数関数的な進化を感じられ、実際に映像で見ることができるなんて、なんてラッキーなんだと思います。  ついでに、シンギュラリティがどうなるのか気になるところですが、未来から見て過去のある時点でシンギュラリティが起こったというようになるのか、それとも現在進行系で感じられるのか、楽しみでもあり何が起こるかわからない恐怖も感じます。  ひとり天文部の部活動でした。