『原爆の図』のある“丸木美術館”。本日から『大道あや・丸木スマ展』が開催され、『原爆の図』と共に拝観に行きました。前回は原爆の図をメインに訪れましたが、その際開催されていた丸木スマさんの絵が良かったので、今日も楽しみでした。
原爆の図は今までに何回見たでしょうか。天安門事件の絵を見た後に原爆の図の部屋へ入ると、数年振りに見るこれらの屏風絵ですが、部屋の中を見回した瞬間からいろいろなことを思い出し、また考えます。今日は、見ているつもりで見えていなかった、絵の細部がよく見えてきました。別の部屋に展示されている三里塚やアウシュビッツや水俣の図も同じように。
原爆の図のほとんどは人間が生み出したこの世の地獄しか描かれていませんが、原爆の爆風や熱線そして炎に巻かれ姿形の変わってしまった人たちの、今生きている人間と同じ人たちの、すらりと伸びた手が美しい、美しいものだと、今日は思えました。
『大道あや・丸木スマ展』もとても良かったです。スマさんのカッパや猫の絵など、余計なものにとらわれる事の無いような絵がいいです。入口近くのセミが上手いなあと思いました。もちろんその他の絵もいいです。大道あやさんの絵をちゃんと見たのは始めてかもしれませんが、とても楽しい、明るい絵だと思いました。絵本にもたくさん絵を描かれていて、また行ってじっくり見たくなるような展覧会でした。
美術館の中には丸木位理・俊氏のアトリエがあり、そこへ上がることが出来ますので、今回もまたお邪魔しました。少し急な階段を上がって行き畳敷きのお部屋へ。広くとられた窓からは草木の緑と川の流れが見え、鳥の声と共に水の流れる音も聞こえてきます。木々の間には蝶が飛び交っていました。優しい時間の流れているような、懐かしい気持ちを思い出す、とても落ち着く部屋です。
窓際のテーブルにはここを訪れた方たちの描いた絵や文章がありました。丸木先生の遺品が置かれたままになっている机の、その上の方に掛けられていた額縁には『善応諸方所』と書かれた書があり、これは観音経からのものだと思いますが、先ほど行った観音霊場のお寺がふっと思い出されました。
畳の上で丸木位理・俊氏の描かれた絵本などを読んでいると、神社やお寺に関係のある話など、日本人が長い間大切にしてきたであろうものも多く取り入れられ、近代化(西洋化?)で失われてしまったものを、この部屋では思い出すことが出来るような気がしました。
原爆の図の部屋の隣にある休憩室に置いてあった、丸木俊さん・位理さんの3冊組の本のうち、確か位理さんの描かれたものだったと思いますが、不動明王が立ち、銅が緑青をふいたような、画面が青から緑へと色が変わる一枚が強烈に印象に残りました。平山郁夫氏の原爆と不動明王の絵を一瞬思い出しましたが、それとは全くの別物です。広島県立美術館の収蔵と記されていたのですが、インターネットで検索しても見つけられず、もし原画を見ることが出来るのならば、ぜひ一度見てみたいと思います。
原爆の図は今までに何回見たでしょうか。天安門事件の絵を見た後に原爆の図の部屋へ入ると、数年振りに見るこれらの屏風絵ですが、部屋の中を見回した瞬間からいろいろなことを思い出し、また考えます。今日は、見ているつもりで見えていなかった、絵の細部がよく見えてきました。別の部屋に展示されている三里塚やアウシュビッツや水俣の図も同じように。
原爆の図のほとんどは人間が生み出したこの世の地獄しか描かれていませんが、原爆の爆風や熱線そして炎に巻かれ姿形の変わってしまった人たちの、今生きている人間と同じ人たちの、すらりと伸びた手が美しい、美しいものだと、今日は思えました。
『大道あや・丸木スマ展』もとても良かったです。スマさんのカッパや猫の絵など、余計なものにとらわれる事の無いような絵がいいです。入口近くのセミが上手いなあと思いました。もちろんその他の絵もいいです。大道あやさんの絵をちゃんと見たのは始めてかもしれませんが、とても楽しい、明るい絵だと思いました。絵本にもたくさん絵を描かれていて、また行ってじっくり見たくなるような展覧会でした。
美術館の中には丸木位理・俊氏のアトリエがあり、そこへ上がることが出来ますので、今回もまたお邪魔しました。少し急な階段を上がって行き畳敷きのお部屋へ。広くとられた窓からは草木の緑と川の流れが見え、鳥の声と共に水の流れる音も聞こえてきます。木々の間には蝶が飛び交っていました。優しい時間の流れているような、懐かしい気持ちを思い出す、とても落ち着く部屋です。
窓際のテーブルにはここを訪れた方たちの描いた絵や文章がありました。丸木先生の遺品が置かれたままになっている机の、その上の方に掛けられていた額縁には『善応諸方所』と書かれた書があり、これは観音経からのものだと思いますが、先ほど行った観音霊場のお寺がふっと思い出されました。
畳の上で丸木位理・俊氏の描かれた絵本などを読んでいると、神社やお寺に関係のある話など、日本人が長い間大切にしてきたであろうものも多く取り入れられ、近代化(西洋化?)で失われてしまったものを、この部屋では思い出すことが出来るような気がしました。
原爆の図の部屋の隣にある休憩室に置いてあった、丸木俊さん・位理さんの3冊組の本のうち、確か位理さんの描かれたものだったと思いますが、不動明王が立ち、銅が緑青をふいたような、画面が青から緑へと色が変わる一枚が強烈に印象に残りました。平山郁夫氏の原爆と不動明王の絵を一瞬思い出しましたが、それとは全くの別物です。広島県立美術館の収蔵と記されていたのですが、インターネットで検索しても見つけられず、もし原画を見ることが出来るのならば、ぜひ一度見てみたいと思います。
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