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心の本質は光


 第14世ダライ・ラマ法王の東京講演『心の本質は心』が行なわれ、両国の国技館へ行ってきました。

 昨年の秋、土俵祭りの時に行った国技館とは様子が変わり土俵や升席が取り払われて椅子が並べられていました。私は上の方の席から見下ろす形でしたが、大きなスクリーンが2台設営されお顔もよく拝見することが出来ました。

 そして赤い衣に身をまとわれたダライ・ラマ法王のご登場。お祈りのあと椅子の上に足を組んで座られ、そのバックには中論を説かれたナーガールジュナ(龍樹)?の大きな仏画がかけられていました。

 最初にお話されたことは、ダライ・ラマ法王ご自身も他の地球上の人々と同じ1人の人間であり、そしてまた1人の仏教徒であり、超能力や不思議な力などを持っているはずはなく、またそういうことに対しては疑いの目を向けていらっしゃるということでした。

 本題について特に印象に残ったお話は、猜疑心や怒りに覆われてしまった心であっても、その心の本質は光明であり、ちょうどコップの中に入れられた泥水を置いておくと、綺麗な水と泥とに分かれますが、そのことと同じようなのではないかという例え話。好ましくない感情がどうして起こってきたのか、自分の心を注意深く考察していかなければならない。好ましくない感情の対象は実際にそこにあることは少なく、その多くを自分の心が勝手に作り出しているということが精神医学的にみても往々にしてあるそうです。

 ダライ・ラマ法王は英語でお話をされ、その後に日本語の通訳(この通訳が飛び切り素晴しかった!)が入っていたのですが、ひとつのお話に対して単純に2倍の時間がかかってしまい、お話の聞ける時間が少なくなってしまうのがとても残念でした。でも訳してもらわないと理解できませんが…。

 質疑応答で出てきた、般若心経やナーガールジュナ『中論』の「空」の理論(特に26章18章24章?)、またシャーンティデーヴァの『入菩提行論』の「忍辱(にんにく)」の項など、また改めて読み直そうと思いました。『中論』は解説から読まないと理解不能です。

(参考)
『龍樹』講談社学術文庫/中村元著
『ダライ・ラマ至高なる道』春秋社/ダライ・ラマ14世著・谷口富士夫訳
(大法輪閣から『チベット仏教・菩薩行を生きる―精読・シャーンティデーヴァ「入菩薩行論」ゲシェー・ソナム・ギャルツェン・ゴンタ/西村香訳注』という書籍があるはずですが、今は品切れのようです。)

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