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無償の愛

 先週から2回にわたって放送された歌手、美輪明宏さんの出演された番組SONGS。

 一度美輪さんのコンサートで聴き、もう一度聴きたいと思っていた『ミロール』にまた出合えました。まさかという感じです。そしてこれもまた「喝采」という銀巴里でのライブCDで何度も聴き、コンサートでも聴くことが出来た『ボンボヤージュ』。最後には言わずもがなの『愛の賛歌』。

 美輪さんはテレビで歌うことはあまりありませんが、コンサートに行くとやっぱり素晴しい歌手だなということを全身で感じます。美輪さんはいろいろとご活躍されていますが、私にとってはシャンソン歌手という肩書きが一番ぴったりしていると思います。歌によって歌い方は七色に変わり、またその声量にも圧倒されます。
 『ミロール』ではレンガ造りの運河の町並みが、『ボンボヤージュ』では二人で働いている店の中の情景が頭に浮かび、『愛の賛歌』はあえてフランス語で歌っていらっしゃいますが、歌詞の意味を知らなくても胸に迫ってくるものがあると思います。

 美輪さんの歌われていた銀巴里はもう何年も前に無くなっていますが、せめて一度は近くで美輪さんの歌を聞きたかった。とても残念です。「喝采」のCDで雰囲気は十分味わえますけれど…。

 番組の第一回目に放送された『ヨイトマケの唄』の入っている「白呪」というCDは、とてもいいアルバムだと思っているのですが、何故か私の周囲からは反応がなく…。『亡霊たちの行進』を生で聴いた時にはその迫力に固まってしまいました。A面は反戦や弱者への歌、B面は愛の歌で、その表と裏の音楽のギャップは何なのだろうとずっと思っていましたが、どちらも同じ愛の歌なんですね。インターネットで検索すると試聴出来るサイトがあるのでぜひ聴いてみてください。

 美輪さんと言えば、淡谷のり子さんの歌が聴きたくなり、YouTubeで『別れのブルース』『バラ色の人生』『枯葉』『愛の賛歌』などを聴いていたのですが、やっぱり本当に歌の上手な人の歌はいいですね。また戦時中の慰問先で淡谷さんの歌を聞いた兵士達はどんな心境だったのだろうかと思います。

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