最後の日は蔵王権現さまに圧倒されたまま帰ってきました。 3体の大きなご本尊さまの前に座っていると、決して威圧されるような感じではありませんでしたが、自分の懺悔の心がおのずから表に出てくるようでした。そして、金峯山寺の蔵王権現さまは、単なる像ではなく神さまの姿そのものだと感じました。 ご本尊さまに今のこの世の中を見てもらうためご開帳になったという話をお坊さんより聞きましたが、人の世は常にお見通しなのだろうとは思いますが、こんな世の中を見ていただくのはとても心苦しく、お坊さんのおっしゃるように、まずは垢にまみれた自分を律していかなければと思います。そこから始めようと思います。 お寺で買ってきた『蔵王権現入門』をペラペラめくっていたら、明治の廃仏毀釈で修験道も大打撃を被ったそうで、これほどまでとは思っていなかったので愕然としました。千年以上も続いている祈りの歴史がわずかな間に破壊されてしまったのはとても残念なことですが、今でも一生懸命に修行をしている方々の話を聞くと、過去に起こった大きな戦や天災の悲劇を乗り越え、現在の世の中があり、未来へ向かって半歩ずつでも前進していける希望を感じます。 12/9までの特別ご開帳なので、機会のある方はぜひ拝観に足を運んでもらいたいと思います。次のご開帳は来年なのか、はたまた数百年後なのか分かりませんので…。 金峯山寺(きんぷせんじ)