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チベット展

 秋晴れの一日、上野へ『聖地チベット展』を見に行きました。
 想像以上に多くの仏像・仏画・仏具…などが展示されていました。中国“国家一級文物”などというものもあり、チベットが育んできた文化の結晶は素晴しいものですが、チベット仏教に精通していないので単なる美術品にしか見えませんでした。少しばかりの知識では、解説を読んでも「ふーん」としかいいようがなく、日本の仏像の展覧会でもそうですが、まず仏教がありそのうえでの仏像云々ではなく、ただ、こういう素晴しい美術品がありますという展示なのが(そういう勉強をしている方にとってはとてもよい機会なのだろうと思いますが)いつも残念です。数ある展示物のなかで、きらびやかな仏像や装飾品ではなく、お経が書かれた一葉一葉の紙が一番の宝物なのではないかと私には思えました。
 出口にあるお土産スペースではいろいろな物が売られていましたが、ただチベット、チベットといいながら、ダライ・ラマ法王の著作物がひとつとして売られていないのに唖然としました。チベットと中国との関係は清の時代の紹介で終わっていたり、主催者側の意図がいろいろあるようですが、出口でこんな了見の狭いことを、しかもこの日本でやらなくてもと思います。珍しいものだけを見せるなんていう時代は、もう過去のものだと思っていましたが…。
 美術館の外でチベットの現状を訴えていた方がいらっしゃいましたが、そこで焚かれていたお線香の香りがとてもいい匂いで、今まで見てきたものよりも、本質はむしろこっちにあるのではないかと思われました。

 何はともあれ、この展覧会をきっかけにチベット(仏教)の事を知ろうという方が多くいらっしゃれば、それはステキなことなのだろうと思います。

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